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カラヴァッジョの作品を5分で解説! 殺人罪、謎の死など衝撃的すぎる人生と絵画

イタリアの人気画家カラヴァッジョ。名前は知らずとも、作品を見れば思い出す。そんな作家の代表作3つを5分で解説いたします。
殺人罪でローマを追われるなど、映画やドラマのような刺激的な人生の中で残した傑作ばかりです。

2010年にカラヴァッジョの400年忌を記念してローマで開催された「カラヴァッジョ展」は、イタリアにおける美術展の記録を塗り替えました。4ヶ月に及んだ「カラヴァッジョ展」の訪問者数はなんと58万人余。2015年にミラノで開催された「史上最強のレオナルド展」と評判であった「レオナルド展」でさえ、23万人の訪問者であったことを考えると、イタリアにおけるカラヴァッジョの人気が絶大なものであることがわかります。
ミラノ近郊に生まれながら、ローマで活躍し、殺人罪でローマを追われ、イタリア南部を放浪し、39才の若さで謎の死を遂げるという劇的な人生も、彼のドラマチックな作品と相まって人気を高めているのかもしれません。

カラヴァッジョの卓越した写実力を実感できる「果物籠」

カラヴァッジョ『果物籠』(1595年 – 1596年頃)


20代のカラヴァッジョが枢機卿からの注文を受けて制作した「果物籠」。イタリアの通貨がリラであった時代には10万リラ札の意匠ともなったこの作品は、17世紀に大流行をした「静物画」の先駆けとなりました。奥行きを感じさせる籐の籠と果物の配置、みずみずしい果物と枯れた葉の対比など、それまでは絵画のなかで脇役であった「静物」が主役に躍り出た記念碑的な作品です。虫食いのリンゴや、一見みずみずしく見えてもすでに成熟がはじまっている果物のおそろしいほどの写実には、理想だけを追わないカラヴァッジョのリアリズムを実感することができます。

マタイはどこだ?議論が絶えない「聖マタイの召命」

カラヴァッジョ『聖マタイの召命』(1599年 – 1600年)


ローマのナヴォーナ広場近くにあるサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会。ここで鑑賞できるカラヴァッジョの傑作が、「聖マタイの召命」です。向かって右手の窓から差し込む光が、作品全体に濃い光と陰を作っています。美男のイエス・キリストが指を指しているのは、徴税人のマタイ。イエスの呼びかけで、マタイが弟子となってついて行くという聖書のシーンが描かれています。イエスが指さすマタイは、作品中のどの人物なのか。現在も議論が絶えません。従来は、ちょうど光が当たる中心にいる髭の男がマタイであると言われてきました。視線をイエスのほうに向けていること、指を「私のことですか?」とでも言うように自分を指しているように見えるからです。ところが、髭の男の指先は、画面左にいるお金を数える若者に向けられている、という説もあります。いずれにしても、美男のイエス以外は、おそらくカラヴァッジョの周辺にいた人々がモデルになっているといわれ、宗教画にありがちな人物の美化が見られないのが非常にカラヴァッジョ的といえるでしょう。作品の右手にいるイエスと聖ペテロは聖書に忠実に古代の服装で、それ以外の人物はカラヴァッジョの時代の風俗に身を包んでいるのも見どころです。

主役は馬か聖パウロか 「聖パウロの回心」

カラヴァッジョ『聖パウロの回心』(1600年頃)


北から来る巡礼者たちにとってはローマの入口であったポポロ広場。その一角にある教会が、サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂です。聖堂内のチェラージ礼拝堂に、カラヴァッジョの「聖パウロの回心」が飾られています。キリスト教弾圧のために、ダマスカスに向かっていた聖パウロ(当時はサウロという名でした)が、突然天からの光とイエスの声を感じ、盲目になってしまうシーンです。カラヴァッジョは、注文を受けて制作した一作目の受け取りを拒否され、二作目にこの作品を描きました。イエスの姿は見えず、ただ天からの光だけが聖パウロを打ちのめしています。画面の多くを占める馬の姿から、当時から「馬の回心」と揶揄されたともいわれる作品ですが、その大胆な構図は後の画家たちにも大きな影響を与えることになりました。

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