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ニッポン大好き! 日本人から愛されるジャポニズムな印象派 クロード・モネのまとめ

多くの日本人から愛されている画家クロード・モネ。
浮世絵に魅せられ「ニッポン大好き!」だったフランスのジャポニズム時代や、印象派についてわかりやすくご紹介します。

多くの日本人たちから好まれ、愛されている画家クロード・モネ。
おそらく日本人で彼の名前を知らないという人は、あまりいないと思います。
絵画に興味がない場合でも、「名前は知っている・聞いた事がある」という方は多いのではないでしょうか。

日本人から愛される洋画家モネ その3つの理由

モネは日本人の好む「印象派」の代表的な画家

クロード・モネ Dejeunersurlherbe
1866

モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホなど印象派画家の絵は日本人に非常に好まれます。
「日本人は印象派を好む・印象派が好きである」というのは外国でも有名なほど。

そもそも印象派というのは、もともと日本の浮世絵の影響を強く受けて起こったものと言われています。
日本人からすれば、印象派と日本の美意識とにどこか共通するものがあり、印象派に親しみを感じるのは当然なのかもしれません。

印象派とは?

19世紀後半のフランスに発した絵画を中心とした芸術運動の事を言います。
今でこそ絵画の歴史の中でごく当然のものとして存在する印象派ですが、当時は、フランスの保守的な美術界から激しい批判にさらされていました。
クロード・モネの作品「印象・日の出」が批評家ルイ・ルロワのやり玉にあげられ、その結果「印象派」という新語が生まれたと言われています。

印象派の特徴

「印象派の絵画の特徴としては、小さく薄い場合であっても目に見える筆のストローク、戸外制作、空間と時間による光りの質の変化の正確な描写、描く対象の日常性、人間の知覚や体験に欠かせない要素としての動きの包摂、斬新な描画アングル、などがあげられる」
出典:印象派 Wikipedia

印象派を学んだ日本人洋画家も多い

日本洋画の流れを作った黒田清輝という洋画家は、パリで印象派の影響を受けています。彼は東京美術学校(最初の美術教員・美術家養成のための機関)の西洋画科が発足の際、教員となります。
その他洋画家・梅原龍三郎は印象派の代表的な画家であるルノアールに師事し、洋画家・安井曽太郎もまたセザンヌに傾倒しています。

日本の「ジャポニズム」と日本人に愛される画家モネとの関係

ジャポニズムとは?

ジャポニズムとは、19世紀中頃にヨーロッパで見られた日本趣味のことを言います。
たとえばモネの着物を着た少女やゴッホの「名所江戸百景」の模写などは非常に有名です。もしかしたら、美術の教科書で見た事があるという人も多いかもしれません。
ドガを初めとした画家の色彩感覚にも影響を与えたとされています。

当時、葛飾北斎を代表とする日本の浮世絵版画が大量にフランスなどに流出しました。モネをはじめとするフランス画家たちは、その大胆な構図や色彩、精緻さなどに大きく影響を受けます。
浮世絵はフランス絵画の歴史に「ジャポニズム」という新たな芸術運動をもたらし、それが後にフランスの印象主義及び後期印象主義の発展につながっていきます。

モネもまた日本を深く愛した/ジヴェルニーのモネの庭

クロード・モネ Waterlilies 1906

モネ自らが設計し、日本庭園を意識して作った庭がジヴェルニーにあります。
モネは安住の地にこの地を選び、43歳から亡くなるまで人生のほぼ半分をこの家で過ごしました。
池にかかる日本の太鼓橋やしだれ柳、水面に咲く睡蓮。この頃のモネは庭造りと庭を描くことに夢中だったそうです。晩年、睡蓮の絵は数多く描かれました。
現在はここは美術館となっています。モネの作品はありませんが、モネ自身の日本の版画コレクションが展示されています。

日本から多くの影響を受け、日本の美をこよなく愛し、自らの表現の中に日本への思いをふんだんに込めた画家モネ
日本人もモネを絵をこよなく愛し、日本中にはいくつもモネの作品を収蔵する美術館があります。

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