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イタリアで大人気の日本のアニメ!意外と知られていない現地事情とは…

現在40代のイタリア人にとって、成長期に見たアニメはほとんどが日本製であったというのが普通です。
「アルプスの少女ハイジ」などは舞台がヨーロッパであるせいか「日本製」であったことを知ったのがつい最近、などという人もいます。

現在40代のイタリア人にとって、成長期に見たアニメはほとんどが日本製であったというのが普通です。
「アルプスの少女ハイジ」などは舞台がヨーロッパであるせいか「日本製」であったことを知ったのがつい最近、などという人もいます。

日本アニメのイタリアへの上陸は1970年代半ば

イタリアにおいて日本のアニメがテレビで大ブームになったのは、1970年代の半ば。
アニメ映画は、1960年代から「ジャングル大帝」を初めとしていくつかイタリアで放映されました。面白いことに、フランス原作の「バーバーパパ」のアニメバージョンは日本で制作され、1976年1月にイタリアの公共放送局RAIで放映されたのがテレビにおける大ブームのはじまり。1977年に「小さなバイキング ビッケ」、そして1978年には「アルプスの少女ハイジ」が放映されます。1970年代から1980年代にかけて、100近い日本のアニメがイタリアの各局に買い取られ、欧米では類を見ないほど「日本のアニメ」がイタリアでブームになったのです。

イタリアではアニメから日本の日常生活を学び、親しまれる

当時はまだインターネットも普及しておらず、イタリアと日本の文化の壁は高かったにもかかわらず、当時の子供たちは日本のアニメを見るのがあまりに日常的なことであったので、「箸」や「畳」もごく普通に受け入れていたのだとか。
大人になり、知識が増えてから「あれは日本特有の文化であったのか」と認識する人も多いようです。

キャプテン翼の翼君は「オリバー・ハットン」、岬君は「トム・ベッカー」

日本のアニメに登場する人物の名前はイタリアでは覚えにくく、大変な人気を博した「キャプテン翼」は「ホーリーとベンジ 超一流の二人」という愉しいタイトルに変更されています。ちなみに「ホーリー」は大空翼くんのあだ名で、彼の本名はイタリアでは「オリバー・ハットン」、「ベンジ」とは若林源三くんのことで「ベンジャミン・プライス」という名前になっています。翼君とコンビをなす岬くんは「トム・ベッカー」。もはや、日本のオリジナルの名前を想起するのが不可能なほど、欧米化されたのが「キャプテン翼」でした。

だったら主題歌は?日本語のままか、イタリア語かの謎

こうしたアニメは、主題歌も子供たちが歌えるようにイタリア語で歌われているものが多いのです。イタリア語で歌いやすいように、曲自体もイタリアで作られました。映像だけはオリジナルのオープニングであったり、劇中のシーンを歌詞に合わせて貼り合わせたり、というパターンが多いようです。

しかし例外もあり、1979年にイタリアで放映された「鋼鉄ジーグ」は「ジーグロボット」の名で大人気を博し、主題歌はなぜかオリジナルの日本語がそのまま使われました。
「おーれがやめたら ダンダダン」で始まるこのアニメの主題歌を、日本語で歌えるイタリア人は非常に多いのはそれが理由です。

日本アニメに親しんだイタリア人にも「オタク」はいる!

幼少期に、日本のアニメを見て育った世代には「オタク」も立派に存在します。アニメのDVDをコレクションするイタリア人も非常に多く、またTシャツなどのアニメのグッズを愛好する人も目立ちます。
イタリア人にとくに人気なのが、1979年から放映が始まった「ルパン三世」、1982年放映「ベルサイユのばら」、1986年放映「キャプテン翼」、1989年放映「ドラゴン・ボール」、1995年放映「セーラームーン」、2000年放映「ポケモン」、2002年放映「名探偵コナン」などなど。

そのほかにも、「マジンガーZ」「ドクタースランプ アラレちゃん」「未来少年コナン」「キャンディ・キャンディ」など、イタリア人たちにもそれぞれ贔屓であった日本のアニメがあり、語り出すと止まらなくなるほどです。大人になっても日本のアニメを愛し続ける人を見ていると、日本のアニメは世界中の人を日本の文化に牽引する大きな力があることを実感します。

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