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つい通り過ぎちゃう「この絵」、名画だったの? ベラスケス傑作の理由とは…

有名な画家が描いたのに、知らないと「通り過ぎてしまうほどの作品」。
「ラスメニーナス」で有名なスペインの画家 ベラスケスの、「当時はとても珍しかった傑作」についてご紹介します。
せっかくスペインのプラド美術館に出掛けても、見忘れてしまわぬようご注意を!

「ラスメニーナス」で有名なスペインの画家 ベラスケス。
ベラスケスは、モデルを理想化することなく、ありのままを鏡のようにキャンバスに写し出しました。
目に見えたままに描くことに情熱を注いだのです。
ベラスケスの作品は「鏡のようなリアリズム」と称されています。
今回は、代表作「ヴィラ・メディチの庭園」に注目しながら、「画家の中の画家」と称され、後世の画家の模範的存在となっているベラスケスについて紐解いていきます。

当時としては珍しかった…、「ヴィラ・メディチの庭園」

「ヴィラ・メディチの庭園」はベラスケスの有名な作品の1つです。
所蔵先はマドリードにあるプラド美術館です。
一見素通りしてしまいそうなサイズの油彩画。
この絵画は当時としては革命的な技法で描かれたものだったと言われています。

スペイン・プラド美術館

「ヴィラ・メディチの庭園」は、当時としては珍しい風景画として知られます。
なぜなら、世界で初めて屋外で描かれた油絵の風景画だからです。
この絵画は、明暗対比を上手に使った革新的な技法を用いた作品となっています。
ベラスケスはその匠な技法により、光の明暗や空気の動きを忠実に再現したのです。
ベラスケスはあらゆる物を色彩の変化に置き換え素早い筆の動きで描いていきました。
静かで揺るぎない、最高の色使い。
「ヴィラ・メディチの庭園」にみられるベラスケスの革新的な技法は後世の画家の模範となっています。

国王に愛された画家ベラスケスとは?

After Diego Velázquez [Public domain], via Wikimedia Commons


ベラスケスは17世紀を代表するバロック期のスペイン画家です。
ベラスケスは本名を「ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス」といいます。
長い名前ですね。スペインの画家は名前が長いことでも有名です。

ベラスケスが活躍した時期はちょうどスペイン絵画の黄金時代。
美術史においてベラスケスはスペイン絵画の黄金期をけん制した巨匠として位置付けられています。

印象派画家として有名なマネがベラスケスのことを「画家の中の画家」と称したのは有名な話です。
ベラスケスは後世の画家達に強い影響を与えたことで知られます。
実際に後世の画家たちはベラスケスを高く評価し模範としています。

また、ベラスケスは画家=職人という当時の常識を覆したことでも知られます。
ベラスケスは当時の国王フェリペ4世に気に入られ、貴族や王の側近としての地位も与えられたのです。
国王にも認められるなんてすごいですよね。
フェリペ4世は美術愛好家であったことが知られています。
ベラスケスがフェリペ4世に重宝されることによって画家の地位向上にもつながったのです。

ベラスケスは歴史的に見て、美術史に多大な影響を与えた画家です。
彼の作品は今なおも多くの人々を魅了し続けています。
ベラスケスの技法を賞賛する声はこれからも永遠に絶えることはないでしょう。

ベラスケスは1660年に61歳でその生涯を終えるまで、主に宮廷画家として過ごしました。
その為、実は彼の作品の多くは門外不出となっています。
ベラスケスの作品の多くはスペインのプラド美術館に所蔵されています。
「鏡のようなリアリズム」と称される彼の優れた技法で描かれた作品を堪能したくないですか?
そんな方はプラド美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。

プラド美術館 公式サイトhttps://www.museodelprado.es/

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