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都市伝説「ガウディ・コード」秘密の暗号が仕込まれている!? アントニ・ガウディの建築の不思議を探る

スペインが生んだ特異で偉大な建築家、ガウディ。
彼の数少ない建築作品は、どれもユニークきわまりない造形と細部を持ち、ワンアンドオンリーの建築として世界中から見学客を集めています。
今回はアントニ・ガウディの作品に暗号が仕込まれているという「都市伝説」と、アントニ・ガウディの生涯と作品の特徴にふれてみます。

スペインが生んだ特異で偉大な建築家、ガウディ。
彼の数少ない建築作品は、どれもユニークきわまりない造形と細部を持ち、ワンアンドオンリーの建築として世界中から見学客を集めています。
今回はアントニ・ガウディの作品に暗号が仕込まれているという「都市伝説」と、アントニ・ガウディの生涯と作品の特徴にふれてみます。

未完の大建築、サグラダ・ファミリア

ガウディの最高傑作といえば、バルセロナに建つ巨大なサグラダ・ファミリア教会。
1883年、ガウディが生きているころに竣工し、いまだに作り続けられています。かつては完成まで300年かかるといわれていましたが、技術の進歩などにより工期はだいぶ縮まり、現在は完成は2026年頃と予測されています。それでも、工期はなんと144年。それほどの工期がかかる理由は、スケールの大きさもさることながら、細部に至るまでびっしりと独特のデザインの装飾がされているからです。

サグラダ・ファミリア大教会には「ガウディ・コード」が隠されている?

バルセロナ・サグラダファミリア

サグラダ・ファミリアには、あちこちに不思議な暗号めいた装飾があることで知られています。
たとえば、信仰の門と呼ばれる場所に聖母マリア像があるのですが、その右手には不思議な開いた目が描かれています。
また、受難の門といわれる場所には4?4のマスに数字が並んだパズルのような浮き彫りがあり、縦横斜め、どう線をひいても合計が33になるようになっているそうです。
こういったおかしな細部は、フリーメーソンのサインだ、聖母マリアの復活を予言した暗号だ、と、いろいろ解釈がされてきました。
はたして、真相はどうなのでしょうか?

カタルーニャに生まれカタルーニャに生きた建築家、ガウディ

アントニオ・ガウディ(1878年)

ガウディの生涯を振り返ってみましょう。彼は1852年、スペインのカタルーニャ地方の出身。
金属細工師の家に生まれた彼は長じてバルセロナの建築事務所で働くようになり、生涯のパトロンになる富豪グエルと出会います。
グエルの後援のもと、バルセロナに彼独自の建築作品を作り続けました。が、グエルの死とともにしだいに孤独になり、キリスト教信仰にのめり込んでゆきます。
1926年、バルセロナで電車に轢かれ、浮浪者にしか見えなかったので手当が遅れ死去しました。73歳、生涯独身でした。

自然讃美がガウディの作品の源

カサ・バトリョ(スペイン・バルセロナ)アントニ・ガウディが手掛けた建築物

ガウディを無理やり芸術的派閥に押し込むとしたら、アール・ヌーボーの建築家ということになると思います。
近代的な合理的建築へのカウンターとして生まれた、曲線を多用し自然を優美に再現する芸術です。が、ガウディの自然に対する愛は、アール・ヌーボーの枠にすらとどまりませんでした。
彼の建築は構造自体が大きく波打ったり、貝の内部のような渦巻きになっていたり、まるで耳の中のような洞窟空間になっていたりします。
たんに美しいのではなく、もっと自然の造形そのものの中に入ってゆくような異様な、しかし快適な空間がガウディの建築にはあるのです。

自然讃美を支えた土着の聖母信仰

そんなガウディの自然崇拝の基礎にあるのが、スペインにとくに根強かった聖母マリア信仰です。
キリストの母マリアを信仰するというのは、長い間、正式なカトリック的には異端よりの考え方でした。
マリア信仰は各地の地母神信仰と結びついた、土着の信仰だったのです。日本でいうところのお地蔵様や観音様信仰に近いものがあります。
そこには、素朴な信仰が自然への畏怖と結びついた、原始的でなまなましい信仰世界がありました。これが、ガウディの建築世界の基礎の基礎になっていったのでした。

ガウディの建築世界はシンボルに満ちている

後半生、ガウディはしだいに正式なカトリックに帰依しつつ、マリア信仰の持つ土着の世界や、19世紀末にさかんになった神秘哲学なども取り込んで、その思想的成果を、自分が選んだ自然の造形を建物にするという独特のやり方で表現し続けたのでした。だからこそ彼の作品には、一見よくわからない、意味深な細部や奇妙な造形が溢れているのです。

実のところ、ガウディの建築の中に壮大な暗号が隠されているのかどうかは、誰にもわかりません。
彼の作品の中に、そういった解釈を呼び起こす、ある種のロマンが溢れているのは確かです。
それは建築がガウディにとって、たんに人が住んだり休んだりする場所ではなく、思想が集まって形になるものだからでした。
建物の中に凝縮されたガウディの思考が、その中に入るものにさまざまなイメージを与え続けているのです。

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