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モンストのキャラクターとしても人気! 浮世絵師葛飾北斎の作品5選

人気ゲームのモンスターストライクのキャラクターに、葛飾北斎が使われているのはご存知でしょうか?
モンスターストライク、通称「モンスト」は多くのキャラクターの存在もマニアにとっては注目です。
モンストのキャラクターとしても注目度が高い、葛飾北斎の作品を5つ紹介します。

人気ゲームのモンスターストライクのキャラクターに、葛飾北斎が使われているのはご存知でしょうか?
モンスターストライク、通称「モンスト」は多くのキャラクターの存在もマニアにとっては注目です。
葛飾北斎のキャラクターは2016年10月に行われたミクシィのイベント「絢爛なる大画廊(アートホール)」でレンブラントやゴッホと共に画家シリーズにその名を連ね、「№2213 風来の浮世絵師 葛飾北斎」として登場しました。ゲーム内では「№2214 進化:風来の浮世絵師 葛飾北斎」「№2215 画狂老人卍 葛飾北斎」の二段階の変化を遂げるモンストのキャラクターとしても注目度が高い、葛飾北斎の作品を5つ紹介します。

シーボルト事件の原因「北斎漫画」から 「半紙本1冊」

北斎漫画 初編(引用元:すみだ北斎美術館)


葛飾北斎がヨーロッパの人々に知られるようになったのは、ドイツの医師フランツ・フォン・シーボルトが来日中に代表作「北斎漫画」を気に入り、母国に持ち帰ったのがきっかけ。
「北斎漫画」は北斎が文化11(1814)年から明治11(1878)年の3年間で15編発行した絵手本集。当時の日本人の生活や植物などを描かれており、庶民から好評を得ていました。シーボルトは漫画本を含む日本の物が手荷物検査で見つかったのが理由で国外に追放されていますが、危険を冒すほど魅力を感じたのでしょう。
「北斎漫画」の中でも文化11(1814)年発行の「半紙本1冊」は正月の餅つきや子供たちの毬遊びなどの風景を描いた貴重な作品。

すみだ北斎美術館のコレクションから「巳待」

すみだ北斎美術館(http://hokusai-museum.jp)

東京都墨田区に2016年11月オープンしたすみだ北斎美術館には葛飾北斎のコレクションが収蔵されています。北斎が描いた「巳待(みまち)」という作品は寛政9(1797)年に発行されたという説があり、北斎収集家として知られるピーター・モースが寄贈。
巳待の日に行う祭事の場で祈祷の札を持った御殿の女中をモデルに、北斎が宗理という雅号を使った時期に描いたもの。宗理は「唐獅子図」で有名な狩野永徳に代表される琳派に分類される画家が使ったものです。琳派の作風はたらしこみと呼ばれる技法とダイナミックな構図、二曲一双が特徴だと言われていますが、葛飾北斎の作品はそれまでの琳派とは全く違うものでした。彼は寛政10(1798)年には独自の路線を通す決意を表明していますが、その後も文化元(1804)年まで宗理の雅号を使い続けました。

画狂老人卍の傑作 「諸国滝廻り」から「木曽路ノ奥阿弥陀の滝」

葛飾北斎が使った多くの雅号の中に「画狂老人」「卍」があり、モンストのキャラ名にも使用されています。
北斎は絵を描く事に集中するためになりふりをかまわない生活をしていて、住んでいた部屋にシラミがわくほど。彼の代表作の一つ「諸国滝廻り」は天保4(1833)年に出版されました。
このシリーズの中でも「木曽路ノ奥阿弥陀の滝」は日本三霊山の白山の滝が描かれ、デザイン性に優れた作品だと言う説があります。実際の場所をそのまま活かしたものではなく北斎が独自の発想で創造した物を新たに付け足しており、山肌を流れる滝と空から見下ろした川の流れをはめ込んだ円形の部分を組み合わせた技法が3Dを連想させます。

アールヌーヴォーに影響を与えた「北斎花鳥画集」から「牡丹と胡蝶」

引用:https://twitter.com/HokusaiMuseum

北斎花鳥画集は北斎が70代の時に制作した作品集。
天保の改革による「役者を題材にした浮世絵の禁止」と本草学の普及により花鳥画を描く事を余儀なくされた北斎は、天保2(1831)年から天保5(1834)年の間に中判縦絵と長大判の二種類のシリーズを発行して、世間から好評を得ました。花鳥画集の作品は花と鳥を描くだけではなく季節の移ろいや空気の動きを表現しています。長大判の代表作と言われている「牡丹と胡蝶」は天保4~5(1833~1834)年に制作されており、八重咲きの花と胡蝶が描かれています。ヨーロッパのアール・ヌーヴォー時代に活躍したルネ・ラリックやエミール・ガレなどが手掛けたガラス工芸品のデザインに取り入れられている事で知られています。

富士山が主役「富嶽三十六景」より「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

葛飾北斎「神奈川沖浪裏」


「花鳥画集」と同じ頃に出版されたのが「富嶽三十六景」です。天保2(1831)年に制作した「富嶽三十六景 神奈川沖浪」は東京湾側から神奈川方面沖の眺めを描写した作品で、主版にプルシアン・ブルー(藍色)を使用しているのが特徴的。作曲家のクロード・ドビュッシーや画家のビンセント・V・ゴッホなど印象派の人々に大きな影響を与えました。荒れ狂う波間に見える押送船と対照的に静かな佇まいの富士山が遥か遠くに見える様子が表現されており、国内外で絶賛されています。

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