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キュビスム ピカソが始めた芸術主義

20世紀の始め、「キュビスム(キュービスム、キュビズム)」という主義・スタイルで描かれた絵が流行しました。キュビスムはピカソを語る上で欠かせません。これを知っていれば「少しアートに詳しい人」になれるかも?

キュビスム


<アヴィニョンの娘たち(パブロ・ピカソ、1907年作)>

ピカソという名前は知っていても、ある時期の作風が「キュビスム」と呼ばれることは知らない人が多いかもしれません。
キュビスムは、ピカソやジョルジュ・ブラックという画家が20世紀初めに創始した芸術主義です。

どんなもの?

キュビスムを理解するには、昔の一般的な西洋絵画について思い浮かべるとわかりやすいです。

こんな風に画面上の線が一点に向かうようになっています。
これは一点透視図法と呼ばれるもので、画面上に3次元的な奥行きを表現するための基本的な方法でした。

この一点は消失点とも呼ばれ、人がある一つの視点から空間を眺めた時の焦点を表しています。

 

19世紀も終わりの頃、印象派と呼ばれる芸術が生まれます。

これは、目に映る風景や人々の印象を、色とりどりの点描やラフなタッチで再現するスタイルで描かれたものでした。

なぜこういった表現が生まれたのかというと、絵画はそれまでの専売特許だった「写実的に現実を再現する」ということが写真の発達によって奪われてしまったために、新たな存在意義を模索したことが理由だったのではないかと考えられます。

それでもまだ「現実を元に絵画を描く」という意味では従来の写実的絵画の延長線上にあるといえるかもしれません。

やはり印象派もまた、一点透視図法をベースとした空間の捉え方をしていました。

 

印象派の次に起こったキュビスムは、そこから大胆な飛躍をしました。
一つの画面の中に複数の消失点(焦点)が存在する絵を描いたのです。

これは現実にはあり得ません。
画家の頭の中で現実を解体して再構成した表現であり、ルネサンスから印象派まで数百年続いた西洋絵画の伝統をとうとう破壊して創造されたものと言えます。

キュビスム(仏: Cubisme; 英: Cubism「キュビズム、キュービズム」、立体派)は、20世紀初頭にパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって創始され、多くの追随者を生んだ現代美術の大きな動向である。それまでの具象絵画が一つの視点に基づいて描かれていたのに対し、いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収め、ルネサンス以来の一点透視図法を否定した。
出典:Wikipedia

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