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あのサルバドール・ダリがリメイクしたらどうなる? 巨匠も驚くアレンジ元の名画3つ

サルバドール・ダリは20世紀に活躍したスペイン出身の画家。
ある名画をリメイクしていること、ご存知でしたか?
独特な世界観の絵を描くダリの手にかかると、どのように仕上がるのでしょうか。
今回は天才画家サルバドール・ダリのインスピレーションを刺激した名画をご紹介します。

ダリという画家をご存知でしょうか?
サルバドール・ダリは20世紀に活躍したスペイン出身の画家。
記憶や意識下の世界を、精密で写実的な模写で再現していきました。
その独特な画法は今でも多くの人々を釘付けにしています。

さてそんなダリですが、ある画家の名画をリメイクしていることでも知られます。
しかも、そのリメイクがとても独特。
今回はあまりに異次元的すぎるダリのリメイク作品をご紹介します。

もはや理解不能、ダリが描くフェルメールの名画「レースを編む女」

ダリはフェルメールを敬愛していることで知られています。
ダリは辛口評論家として有名で、画家たちを勝手に採点した「ダリ的分析に基づく諸価値比較一覧表」を作ったとして有名です。
そんなダリですが、フェルメールのことは高く評価しています。

ヨハネス・フェルメール《The Lace Maker》 [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で


ダリはフェルメールへのリスペクトか「レースを編む女」をリメイクしています。
しかし、このダリによるリメイクとフェルメールの「レースを編む女」はもはやまったく別の絵となっています。
リメイク部分として捉えることのできる部分は、絵画中央のレース編みの部分となんとか女性の顔?と読み取れる部分のみです。

絵の中心から放射状に広がる様々な物体の数々。
この放射の中心に針の先が来るようにこの絵は描かれています。
この絵はダリなりのフェルメールに対するリスペクトなのでしょうか?
本心はダリにしかわかりません。

ミレーの「晩鐘」がダリの手によって古代学的回想として復活

ダリはミレーの代表的名画「晩鐘」をモチーフにした絵も描いています。
タイトルは「ミレーの「晩鐘」の古代学的回想」。
ダリは幼い時にみたミレーの「晩鐘」から画家として多大な影響を受けたと言われています。
ミレーのリスペクトの念も込めてこの絵画を描いたのでしょうか。

ジャン=フランソワ・ミレー《晩鐘》1857年 – 1859年、オルセー美術館
Jean-François Millet [Public domain], via Wikimedia Commons


また、ミレーの「晩鐘」は「死」をテーマにしていると言われています。
ダリもまた、このオマージュでミレーが表現したかった「死」を描こうとしたのでしょうか。
このリメイクも原画とはかけ離れたものとなっています。
まさにダリらしい絵画ですが、何を表現したいのかは謎です。

ダリによる「不思議の国のアリス」

ダリは名画のオマージュだけでなく、変わったテーマでも絵を描いています。
中でも有名なのはダリが描いた不思議の国のアリスの世界です。
不思議の国のアリスといえば世界中で大人気のおとぎ話。

1915 poster for Alice in Wonderland featuring Viola Savoy, made by Gus Hill’s Nonpareil Feature Film Company
作者 Nonpareil Feature Film Corp [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で


ダリには1969年に限定2500部の署名入りで「不思議の国のアリス」を出版しました。
中にはダリの描いたアリスの絵が12枚、銅版画1枚、ダリのサインが入ったオリジナル画が1枚挿入されています。
これらの絵は全てダリによって描かれたものなのですが、あまりに独創的。
ダリらしい言えば、ダリらしいのですが、これらの絵も何を描きたいのか明確にはわかりません。

しかし、本当に不思議の国が存在したら、その様相はダリが描いた絵画に近いのかもしれませんね。

ダリの絵は非常に独創的で常人の考えの及ぶ域をはるかに凌駕しています。
ダリの手にかかればどんな名画でもダリの絵となってしまうのです。

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