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美術業界用語講座・「サロン」って何? ネイルサロンと何が違うの?

美術の教科書でもよく目にする「サロン」という言葉。
今回は「サロン」の言葉の意味や、なぜサロンが芸術家にとって重要な場所であったのかを解説します。

美術好きの方なら、サロンという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
芸術家にとってサロンは登竜門です。

ところで、あなたはサロンについて理解していますか?
ネイルサロンと一緒などと考えていませんか?
サロンはそんにラフなものではありません。
芸術家にとって、言わば生命線のようなものだったのです。

今回はサロンについて紹介し、なぜサロンが芸術家にとって重要な場所であったのかを解説します。

美術界でいう「サロン」とは?

Édouard Joseph Dantan [Public domain], via Wikimedia Commons


美術界におけるサロンとはなんなのでしょうか?
サロンとはフランスでいう「官展」のことをさします。
「官展」の「官」とは政府のことです。
よって政府主催で開催される展覧会という意味です。
サロンは別名「サロン・ド・パリ」とも呼ばれます。
サロンは、1725年に本格開催が始まった、フランス、パリの芸術アカデミーの公式展覧会の総称でもあります。

サロンの起源は1648年に王立アカデミーが設立に伴って開かれた展覧会に遡ります。
そして時は過ぎ、1725年にルーブル美術館で開かれた展覧会から「サロン」もしくは「サロン・ド・パリ」と言われるようになりました。
1737年以降、サロンは公共の展覧会となり、大きな賑わいを見せることになります。
1748年からは審査委員制度も導入され、いつしかサロンに出展されることは、芸術家としての憧れになっていったのです。

その後、数回にわたる内部分裂もありましたが、結果としてサロンは200年にわたり開催され続けました。

サロンに出展されるとどうなるの?

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さて、サロンに出展されるとどうなるのでしょうか。
当時サロンは民衆に向けて開かれた唯一の展覧会でした。
そのために、その影響力は計り知れないものだったのです。

サロンに出展され評価されれば、その絵を国家が買い取ってくれます。
つまり、画家としての名声を手にすることができたのです。

画家たちはこぞってサロンに応募しました。
サロンで有名になった画家は大勢います。
特に19世紀後半のサロンは最盛期と言われ、「睡蓮」で知られるモネを筆頭に、ピサロ、シスレー、ドガなど数々の印象派がサロンに出展し有名になりました。
1863年にはナポレオン3世によって「落選者会」というサロンに出展したが落選してしまった作品のみを展示した展覧会も開かれました。

このようにサロンは当時の画家にとって非常に大きな影響力を持った展覧会だったのです。

ちなみにネイルサロンの「サロン」ってどういう意味?

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美術用語のサロンについてはわかったけど、逆にネイルサロンの「サロン」ってどういう意味なのと思った方もいるかもしれませんね。
最後にネイルサロンの「サロン」の意味を紹介したいと思います。
この場合のサロンは主に、客間、応接間、広間という意味です。
フランスでは宮廷や貴族の邸宅を舞台にした社交場をサロンと呼びました。
当時に裕福な人々はサロンという名の社交場(応接室等)に集まって会話を楽しんだのです。

ネイルサロンの「サロン」はどちらかといえば、社交場としての意味合いが強いと考えられます。
対して、美術用語としての「サロン」は展覧会という意味なのです。
そして、「サロン」とは、当時の画家達にとって人生をかけた正念場(展覧会)だったのです。

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