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レオナルド×ミケランジェロ展を10倍楽しめる? 禁断のテーマ「レダと白鳥」を5分で解説

「レオナルド×ミケランジェロ」展が2017年9月24日まで三菱一号館美術館で開催されています。本展覧会は、ルネッサンスの2大巨匠の素描を間近で見比べることができる貴重な機会。
展覧会を10倍楽しむための解説として、両巨匠の描いた「レダと白鳥」について解説します。

「レオナルド×ミケランジェロ」展が2017年9月24日まで三菱一号館美術館で開催されています。本展覧会は、ルネッサンスの2大巨匠の素描を間近で見比べることができる貴重な機会。
展覧会を10倍楽しむための解説として、両巨匠の描いた「レダと白鳥」について解説します。

浮気の神さまゼウスの奸計「レダと白鳥」

「レダと白鳥」は、ギリシア神話に登場するゼウスの浮気物語のひとつ。
ゼウスは全知全能の神であるにもかかわらず好色で、正妻へーラーの眼を盗んで数多くの浮気を繰り返し、多くの神話が残されています。

古代ギリシアのスパルタ王妃だったレダに恋したゼウスが、鷹に追われる白鳥に変身して近づき、彼女と交わったというエピソード。古典芸術が復興したルネッサンス期、画家たちは想像力を駆使して、白鳥とレダの官能的な姿を描いたのです。

ミケランジェロの美しすぎるエロチズム

フランチェスコ・ブリーナ《レダと白鳥(失われたミケランジェロ作品に基づく)》1575年頃 カーサ・ブオナローティ ©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti


ミケランジェロは、裸体のレダが過度に長い体を捻じ曲げて、白鳥であるゼウスを抱きかかえるエロチズムあふれる構図で描きました。白鳥と口づけをするかのように傾いたレダの横顔は、優美な愁いを湛えた官能的な美しさです。

この絵は、1530年にフェラーラ侯爵アルフォンソの注文により描かれました。ところが受け取りに来た侯爵の使節が、失礼な態度を取ったため納品を断わり、弟子の手に渡りました。

モナリザのように微笑むダヴィンチのレダ

レオナルド・ダヴィンチ《レダと白鳥》1505-10年頃 ウフィツィ美術館 ©Firenze, Gallerie degli Uffizi, Gabinetto fotografico delle Gallerie degli Uffizi


一方、口元にモナリザのような謎めいた微笑みを浮かべ、片足に重心をかけて白鳥に寄り添う妖艶なレオナルドのレダ。足元には2つの卵から産まれた2組の双子が描かれています。

レオナルドにしては珍しいギリシア神話を主題とした作品は、1510年ごろ2回目のフィレンツェ滞在時に描かれたものだと言われますが、他の作品同様、詳細はわかっていません。

傑作「レダと白鳥」が現存しない理由

両巨匠の「レダと白鳥」は、奇遇にもどちらもフランス王フランソワ1世の所有となり、フォンテーヌブロー城へ収められます。

その後、ミケランジェロのレダは、夫ルイ13世の死後、わずか4歳のルイ14世の摂政となったアンヌ皇后が、モラルに反するという理由で焼却したと言われます。

またレオナルドのレダも、1625年に城内に劣悪な状態で放置されているという美術収集家の記録を最後に消息不明です。恐らく、同じ運命をたどったと推測されています。

幸い、同時代の画家による多くのコピーが、失われた傑作を今に伝えてくれています。

素描なのに立体感あふれる巨匠の力作

神のごとく描くと評されたミケランジェロの『「レダと白鳥」の頭部の習作』が展覧会のために来日中です。濃淡の陰影がついているので立体感があふれ、素描とは思えない素晴らしい作品です。傑作を間近で見るまたとない機会です。

レオナルド×ミケランジェロ展 展覧会情報

場所:三菱一号館美術館
日程:2017年6月17日(土)〜9月24日(日)
開館時間:10時〜18時、祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20時まで
休館日:毎週月曜日、但し祝日は開館
一般=1,700円(前売 1,500円)、高校・大学生=1,000円、小・中学性=500円
レオナルド×ミケランジェロ展公式WEBサイト
http://mimt.jp/lemi

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